簡単そうに見えて実はむずかしい技
以前書いた記事の『映像に残る異次元の達人たち』で登場したマイケル・ジョーダン、中村日出夫の神業ですが、常人にはとてもじゃないけども真似できない神業です。
見た目のインパクトがある神業ですので、『スゴイ』と『真似できない』を観た瞬間に体感できるレベルでした。
さて、世の中には、一見すると普通に見えるけども凄い技というものがいくつも存在します。

今回は一見すると真似できそうだけど、実際にやってみると簡単には真似できないし、あのレベルに到達するのははるか先にあると感じる達人技をご紹介します。
ちなみに、わたくしバスケ、空手の出身なのでそれらの選手に偏って紹介するのであしからず。
山崎照朝:左右回し蹴り
極真カラテの第1回全日本大会の王者です。
華麗な上段回し蹴りが有名な選手でした。
ちなみに、この上段回し蹴りはマンガ刃牙の回し蹴りのモデルになっています。
劇画:空手バカ一代にも登場する人物で『実在する人物でマンガで描かれている技のイメージそのままなのは山崎先輩のみ』とは松井章圭館長談。
第5回全日本大会の模様が映像に残っています。
対松友
3分10秒~対佐藤俊和
さて、山崎照朝選手の左右回し蹴りですが、
下段回し蹴りを打ってから上段回し蹴り。
もしくは、相手の下段を脛受けで受けてから上段回し蹴りと繋げています。
並みでないのは、1発目の下段、または脛受けからの上段回し蹴りへと繋げる際に威力が落ちないこと。
もっと言えば、1発目の下段なり脛受けが助走のような役割をはたして(タメができる)、上段回し蹴りの威力が上がっているように見えることです。
現役時は体重が62kgと細身にも関わらず上段回し蹴りで一本勝ちを量産してましたので、威力が上がっていたのは確実かと思います。
簡単そうに見えますがなかなか出来ない技になります。
松井章圭:二枚蹴り
極真カラテの第4回全世界大会の王者。
極真会館2代目館長。
現役時代は華麗なる組手で全日本全世界を含めて3連覇しています。
なんでもない技や構えも松井章圭がやると絵になると言われていました。
強さと華麗さを備えた選手でした。
大山倍達総裁は松井選手を『50年に一人の選手』と評していました。
そんな松井選手が現役時代に使用していたのが二枚蹴り。
ちなみに、二枚蹴りとは同じ足で2回以上蹴り技を出すことです。
技名に関しては諸説あるようで二段蹴りと混同されがちですが、
この記事で言う二枚蹴りは同じ足で2回以上の蹴りを出すこととします。
本人曰く、『ただの見せ技で強い人には通じない。』
実際に大会の試合では使わなかったのであくまでも普段の練習や連続組手時の技だったのかもしれません。
やってみると分かりますが、二枚蹴りの2発目の打撃を強く蹴るのはかなり難易度が高いです。
ほとんどの人はチョコチョコっと蹴りを出す二枚蹴りになるか、バランスを崩して反撃を受けるかの二択になると思います。
バランス感覚と柔軟性、足腰と体幹の強さがないと難しい技です。
2分10秒~、9分28秒~、11分3秒~
アデミール・ダ・コスタ:左上段回し蹴り
南米ブラジルのチャンピオン。
80年代の極真カラテは名実ともにフルコンタクト空手界の最大組織でした。
選手層の厚さは現在とは比較も出来ないくらい厚かったため、国内海外ともに怪物のような強さを持った選手がゴロゴロいました。
その中で海外選手の4強と言われていたのが、アンディ・フグ、ミッシェル・ウェーデル、マイケル・トンプソン、アデミール・コスタの4名。
松井章圭館長曰く、『誰か一人を選ぶとするならアデミールがナンバーワン』と言い切っておりました。
で、アデミール選手で特筆すべき技が左上段回し蹴りです。
一言でいうと『速い、目に見えない速さ』
このタイミングでこの速さの上段回し蹴りが来れば極まるわ。と納得するレベル。
居合の達人の抜刀に似た練度の左上段回し蹴りです。
上位選手同士の対戦だと上段回し蹴りが極まることはほぼないですが、第4回世界大会で八巻選手、ミッシェル・ウェーデル選手という長身の超強豪選手にも左上段回し蹴りを当てています。
さすがに倒すことはできませんでしたが、ヒットするだけでも特筆ものです。
24秒あたりで放っている左上段回し蹴りの速さ。
このタイミングでこの速さの上段回し蹴りがくると相手はまったく見えない。


