【前回の補足】「限界まで追い込まない」の真意と、あなたが持つべきドロドロとした欲望

前回の記事の補足です。

「限界まで追い込むな」アメリカスポーツ医学会が2026年に出した驚きの結論

2024年7月に【40代50代のトレーニーのために】というブログ記事を書きました。 自分自身の経験をもとに述べたもので、40代以降のトレーニング愛好者向けに安全に効果的な…

勘違いする人もいるかと思いましたので、大事なことなので書いておきます。

トレーニング理論は日々進化しています。

前回の記事にも書きましたが、【現場が最先端】だと思います。

・・・が、ちょっと補足はしておきますね。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)、全米ストレングス&コンディショニング協会(NSCA)、健康運動指導士、これらの協会や資格からはエビデンスをもとにして運動の効果を安全に楽しく出すような方法論をガイダンスしています。

エビデンスありきです。

当然のことながら私も運動指導の分野で活動していますので、エビデンスありきの学んだ方法論が主軸となり指導させていただいています。

自分の経験論による感覚的な指導(自己流)は基本的にはしていません。

割合でいうと9割はエビデンスありきの方法論をもとに指導するのですが、自分自身のトレーニングで得た情報なり経験をエビデンスありきの方法論に補足するような形(こういう解釈をしたの)で指導しています。

言っている意味分かりますか?

今は調べればたいていの情報は無料で貰えます。

トレーニングもしかりです。

AIに言えば、目的に合うトレーニングプログラムをすぐに教えてくれますし、やり方も教えてくれるでしょう。

前回記事のアメリカスポーツ医学会(ACSM)の発表ははかなり大胆なガイダンス変更でした。

解釈によっては全く真逆のことを提唱していますからね。

だからこそ、プロとしてどう解釈し真意は何なのかを伝えるのが重要ではないかと思います。

科学(エビデンス)はベース。それをどう「解釈」して伝えるかがプロの技術

エビデンスというのは、あくまで特定の条件下で集められたデータの【平均値】です。

でも、目の前にいるクライアントの体型、骨格のクセ、過去の怪我の履歴、その日の疲労度は、誰一人として同じではありません。

AIや教科書は【平均的な正解】を教えてくれますが、あなたの体に100%フィットするわけではないんです。

私は、主軸である9割のエビデンスに対して、残りの1割に【自分自身の肉体で23年以上試してきたリアルな経験】をブレンドしています。

例えば、今回のACSMの【限界まで追い込まない】という新基準。

これを言葉通りに受け取って『じゃあ、楽な運動でいいんだ』と解釈してしまったら、体は変わりません。

現場に立つ私の解釈はこうです。

「改定前の【疲労困憊までやる(オールアウト)】と言っても【疲労困憊まで】トレーニングで追い込むことってなかなかできないものなんです。」

自分もかつてはトレーニングをするたびに『今日はオールアウトまで(ようは筋肉が動かなくなるまで)追い込んでやる』と意気込んでトレーニングをしますが、結局オールアウトまで持っていけずに途中で止めますからね。

限界に近づくとキツイし苦しくなります。

限界だと思ったところから『あと1回。もう1回。』というように追い込みをかけるぐらいじゃないと筋肉は成長しないよ。

どんなに頑張ってもオールアウトまでは行かないからしっかりと追い込みなさいよ。

というのがかつての基準だったと理解しています。

これ、若くて回復の早い人だったらさほど問題もないかと思います。

が、40代以降ともなればこのやり方だと疲労が溜まりなかなか抜けなくなってきます。

そこで辿り着いたのが2024年7月に書いた通り『強度を少し落として限界までやらない。落とした強度を頻度で埋める』やり方です。

40代50代のトレー二ーのために

40代以降のトレーニングで要らないこと 個人差はありますが40代以降になるとトレーニング後の回復に時間がかかるようになります。 『1日寝れば回復するよ』 という人は特…

結果的にアメリカスポーツ医学会(ACSM)の新基準を先取りしたような感じになりました。

新基準の解釈は、簡単です。

すでに2年前から実践していますからね(笑)

【限界まで追い込まなくてOK】これの意味するところは、疲労を溜めない。怪我しない。継続する。

限界まで追い込まないと一見ラクなトレーニングと感じるかと思いますが、【疲労困憊まで】やるトレーニングと比較しても筋肉に対する刺激はさほど変わらないんですよ。

結局ほとんどの人は【疲労困憊まで】出来ませんからね。

違いは僅かなんです。

その違いを【大きな差となる】と解釈する人もいるとは思いますが、デメリットもあります。

疲労が溜まる。怪我のリスクが上がる。継続率が下がる。・・・とかです。

『どうせ疲労困憊まで出来ないんだから、あと『何回かはできる』ところで余力を残して止めていいよ。
それで疲労も溜まらないし、怪我のリスクも減るし、トレーニングの継続率も上がるでしょ。』

これが私の新基準の解釈です。

単なる根性論の自己流はケガを招きますが、科学をそのまま押し付けるだけのマニュアル指導も不親切です。

【科学的な裏付け(エビデンス)】をベースに持ちながら、現場の状況に合わせて柔軟にアプローチを変える。

これこそが、私が【現場が最先端】と言う理由です。

「高い目標は必要ない」の真意。あなたの「欲望」は高くていい

もう一つ、前回の記事で【高い目標は必要ない】と書いたことについても補足させてください。

これを聞いて、『じゃあ、志は低くていいの?』と思う方がいるかもしれません。

結論から言うと、トレーニングを始める大前提になるような目標は、ご自身の「欲望」にどこまでも忠実で、高くても構いません。高い欲望っていうのも変ですかね、ドロドロとした欲望と言った方がいいかも。

とにかく欲望に忠実なら何でも構いません。

ダイエットやボディメイクに、綺麗事はいりません。

欲望に忠実であれ。

  • 「40代・50代になっても、周りから『若い、キレイ、かっこいい』と思われたい」
  • 「好きな服をバシッと綺麗に着こなして、人生を謳歌したい」
  • キャバクラに行って『腕太いですねえ』と言われ触ってもらいたい

こういう、一見すると「不純」とも言えるような生々しい欲望こそが、ジムの扉を叩き、継続を可能にする何よりも強力なエネルギーになります。

これらは大いに高く掲げてください。

じゃあ、なぜ私が『高い目標は必要ない』と言ったのか。 それは、「日々のトレーニングの実践」において、毎回高いハードルを課す必要はない、という意味です。

『毎回、過去の自分を超えなきゃいけない』

『息が切れて倒れるまでやらなきゃいけない』

といった高い目標(プレッシャー)を日々のルーティンに持ち込むと、脳が拒絶反応を起こして挫折の原因になります。

ジムに来て、【5分身体を動かす】この程度の低さがいいんです。

淡々とメニューをこなす。

歯磨きと同じように、生活の一部として続けられるレベルの【低いハードル】で十分なんです。

トレーニング前はみな【やりたくない】んです。

【やる】か【やらない】かで迷います。

重要なのは【やる】方を選ぶことです。

そのため日々のトレーニングの目標は低いほどいい。

まとめ:賢く欲張って、淡々と続ける

長々と補足を書いてしまいましたが、シンプルにまとめます。

  • 9割のエビデンスに、1割の「現場の解釈(23年の経験)」を乗せて、安全に効果を出すこと。
  • 心には「生々しいドロドロとした高い欲望」を燃やしながら、日々の行動は「5分動かすだけ」の低いハードルで超えていくこと。

情報やAIがどれだけ進化しても、あなたの体を変えるのは「今日、ジムに来てやる方を選んだ」という事実に他なりません。

『どうせ疲労困憊までできないんだから、余力を残してサクッと終わらせよう。でも、あの服をかっこよく着こなすために、今日もとりあえず5分だけ動こう』

それぐらいの賢さと、心に余裕を持って臨むのが、40代以降のトレーニングの正解です。

オールアウトなんてしなくて大丈夫。

【やる】か【やらない】かで迷ったら、

【やる】方を選ぶことが、あなたの欲望を叶える唯一のルートになります。

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