インチキ商品に騙されない方法
情弱狙いのインチキ商品
パソコンとかスマホを最新の機種というような印象で売っていることってよくありますよね。
実際にはショボショボのスペックで使い物にならない商品だとしても。
専門の知識がほんの少しでもあれば買わないような商品でも宣伝が上手いと買ってしまったりします。
フィットネスの世界でもこういう効きもしないような商品が流行ったりします。
数年単位のトレンドで何度も何度もゾンビのように出てくる商品もあったりします。
例えば、ド定番のものだとお腹に貼るだけで腹筋が6コに割れるようなモノとかね。
お腹の引き締めは現代人の永遠のテーマみたいな感じで気になる箇所ナンバーワンですから、貼っているだけで手軽に引き締まるなら買っちゃうって人がいるのも理解は出来ます。
・・・が、貼っているだけでお腹は6コに割れたりしませんし、引き締まったりもしません。
こう言っちゃなんですが、普通に生活をしている健康体の人には効果は1mmもない商品なんじゃないですかね。
インチキ商品を見抜く眼力をつけよう
インチキ商品を買っちゃう人っていうのはやはり何も知らない人なんです。
厳しい言い方をすると、情報弱者です。
フィットネスの分野で押さえておいたほうが良い知識っていうのがありますのでそれを書いていきます。
これから書くことが正しく理解できていればインチキ商品を買うことがなくなります。
では始めます。
万有引力の法則と同じぐらい当たり前のこと
トレーニングには原理・原則がありますのでそれについて説明いたします。
説明するのですが、この原理・原則をテーマにすると・・・語ろうと思えば何時間あっても足りない(笑)ってぐらい深いテーマですので、ものすごく簡単に説明しますね。
まず、原理・原則のおおもとに『ルーの法則』っていうのがあります。
ルーの法則とは、
筋肉は適度に使うと発達するけど、逆に使わなかったり、使いすぎたりしてしまうと萎縮してしまうという法則です
法則なので例外はありません。
自分の今現在のレベルからみて適度に刺激が入るトレーニングをしてれば筋肉が発達するし、何もしなかったり過度の刺激が入るようなトレーニングを続けていると筋肉は委縮してしまうってことです。
それで、もう少しつっこんで説明すると、
『適度に使う~』の『適度』ってどのくらい?
『使いすぎると委縮する』の『使いすぎると』ってどのくらい?
と思いますよね。
このルーの法則がおおもとで、トレーニングの三大原理・五大原則ってのがあります。
ここまでついてこれてますかね?(笑)
とりあえずご理解できているかの確認のため(笑)
ルーの法則とは・・・
- 筋肉は適度に使うと発達する
- 筋肉は使わないと委縮する
- 筋肉は使いすぎると委縮する
↑これです。(ルーの法則)
適度に使うの適度ってどのくらい?
使いすぎると委縮するの使いすぎるってどのくらい?
それを補っているのがトレーニングの三大原理・五大原則です。
さて、ルーの法則はご理解いただけたでしょうか?
ルーの法則がおおもとになってそこから、トレーニングの三大原理・五大原則と説明していきます。
では、
トレーニングの三大原理について説明いたしますね。
トレーニングの三大原理
① 過負荷の原理
② 可逆性の原理
③ 特異性の原理
さて、漢字ばっかりで何のことやら?
と思うかもしれませんので一つずつ見ていきましょう。
過負荷(かふか)の原理
これは、トレーニングによって何らかの運動効果を望みたいと思ったら日常生活で体験しているのよりも強い負荷をかけないと体力は向上しないという原理です。
日常生活と同じくらいの負荷では変わらないってことですね。
考えれば当たり前なんですが、意外とできていない人が多いのです。
スポーツクラブでインストラクターしている時にクラブの会員さんを見てましたが、トレーニングをしている最中におしゃべりしながらウエイトを挙げているとかマシントレーニングをしているなど。
まったく効果がないとは言いませんが、あまり効果的ではないですね。
実際スポーツクラブに通っているのにまったく変化がない人って結構います。
というか自己流でやってますからビックリするくらい皆さん変わりません。
変わりたければ日常生活よりは強い負荷が筋肉にかかるように。ってことです。
もちろん、今現在の体力レベルってのは人それぞれですから、あなたに合った負荷が存在します。(トレーニングしているうちに負荷も変わります。)
例えばですが、日常生活で箸より重いものを持ったことがないっていう人は、箸より重いものを持てばトレーニング効果が出るってことです。
こんな人居ないでしょうが(笑)
可逆性(かぎゃくせい)の原理
これは、トレーニングで得られた能力や効果はトレーニングを行っている間は維持されるが、止めてしまうと徐々に失われていくという原理です。
またトレーニングによって得られた運動効果というのは、トレーニング期間が長ければ失われるのも緩やかで、反対にトレーニング期間が短ければ効果が失われるのも速いということも覚えておいてください。
トレーニングをパッタリやめた場合、まず持久系の能力が落ちたのがハッキリと分かると思います。
マラソンとかの持久系の選手はほぼ毎日走ってますよね。
筋力や筋の太さは持久系の能力に比べれば緩やかに戻りますが、それでもトレーニングを完全にやめると上で説明したとおりトレーニング期間に比例しますが、筋力は落ちるし筋の太さも元に戻ります。
特異性(とくいせい)の原理
これは、トレーニングの効果はトレーニングをした内容により、特異的に向上するという原理です。
はて?
何のこと?
と思いますよね。
簡単に言うと、マラソンの練習をしたらマラソンが速くなりますよね。(持久力の向上)
マラソンの練習をして100m走が速くなるとか、水泳のクロールが速くなるとか、サッカーが上手くなるとかってないですよね。
トレーニングには何に効果があってというのが種目によって違いますから、自分の望む効果を得たい種目を選ばなくてはいけませんってことです。
見当違いな種目を選んじゃったばかりに、望む効果がまったく得られないってことはかなり多いと思います。
自己流でトレーニングしている人はほぼ見当違いなことをしていますね~。
種目・負荷・回数・時間・頻度、←これが大事です。
僕のパーソナルトレーニングで最初にカウンセリングをして、運動効果(ダイエット、健康維持、引き締め、筋力アップ・・・など)を聞いて、どういう風になりたいのかを聞くのはメニューを構成するうえで必須なので聞くんです。
ここが正しく伝わっていないと目標地点が変わってきますので、無駄な努力をしかねません。
ここまでご理解できたでしょうか?
さて、次はトレーニングの五大原則の説明をします。
トレーニングの五大原則
① 漸進性の原則
② 全面性の原則
③ 意識性の原則
④ 個別性の原則
⑤ 継続・反復性の原則
はい!また漢字だらけですね(笑)
一つずつ見ていきましょう。
漸進性(ぜんしんせい)の原則
漸進性の原則とは、トレーニングの強度や量は段階的に増加させレベルアップしなければならないという原則のことです。
急激に運動強度を増加させたりすると傷害を起こしてしまう可能性が高くなってしまいます。
階段を一段ずつ上がるように徐々に強度を上げるってことです。
トレーニング効果を得たいのであれば、2段抜かしで上がっていくってことはないです。
全面性(ぜんめんせい)の原則
全面性の原則というのは、ある体力要素を向上させたいのであれば、できれば他の体力要素も向上させなければならないという原則のことです。
体力というのは色々な要素で構成されています。
できる限る全ての体力要素を鍛えていった方が好ましいということですね。
体力とは、筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、などです。
あと、全面性には体のことも考えると良いです。
たとえば、上半身は十分に鍛えているけど下半身はまったく鍛えてないとか、筋力は強いけど柔軟性がないとか、はあまり良くないです。
全身をまんべんなくバランスよくトレーニングするってことです。
意識性(いしきせい)の原則
意識性の原則というのは、このトレーニングは何の目的でしているのか?ということをよく理解しておこないなさいっていう原則のことです。
ただ漫然とトレーニングしないで何のためのトレーニングかをしっかり理解してこそ大きな成果が期待できるってことです。
また、ウエイトトレーニングで、どこの筋肉に効かしているのかを意識するのが重要です。
たとえば、ダンベルアームカール(肘の曲げ伸ばし運動)をしている時に、上腕二頭筋(ちからこぶ)を意識してトレーニングする場合と、今日の夕飯はなんだろう?とかを考えながらトレーニングする場合を比較しますね。
1回や2回のトレーニング程度では差が出ないかもしれませんが、これが10回15回と積み重なっていくと大きな差となります。
使っている筋肉をしっかりと意識しましょう。
個別性(こべつせい)の原則
個別性の原則というのは、トレーニングは個々の身体的・精神的特性に応じておこなわければならないという原則のことです。
人間の身体は十人十色、人それぞれ微妙に違いがあります。
性別、年齢、体質、体力レベル、性格などあらゆる要素が個人によって違います。
当然、トレーニングメニューを作成するときも、10人いれば10通りのメニューになります。
例えば、ハリウッド女優の〇〇さんがやっているトレーニングをそのままマネしてもハリウッド女優の〇〇さんのような体になるとは限らないってことです。
自分の目標は何かをしっかり決めて、自分にあったメニューをおこないなさいってことです。
継続・反復性(けいぞく・はんぷくせい)の原則
継続、反復性の原則とは、トレーニングの効果を得るためには継続的に行わなければならないという原則のことです。
トレーニングの効果というものは一朝一夕に得られるものじゃありません。
トレーニングの効果は長期間続けることによって、はじめて目に見える大きな効果を期待することができます。
いかに優れたトレーニング施設や優秀なトレーナー、自分にあったベストなトレーニングメニューがあったとしても続けなければ何の効果もないってことですね。
まとめ
以上で、ルーの法則からトレーニングの原理・原則について簡単に説明しましたがどうでしょうか?
自分ではものすごく簡単に説明するつもりでしたが、結構な長文になってしまいましたね。
それだけ、深いというか、トレーニング理論のベースになっているものですので、やろうと思えば際限なく長くすることも可能だったのですが、読むのがイヤになっちゃうと思いましたので、それはやめました(笑)
とりあえず、上記のルーの法則・3大原理・5大原則が理解できるだけである意味インストラクターレベルです。
このルーの法則、三大原理、五大原則から外れる理論は存在しないわけですから、TVや雑誌で次から次へと新しく出てくる○○ダイエットとか○○メソッドやらを見たときに本物か偽物かってすぐ分かると思います。
上の事例で出した貼るだけで腹筋が割れるモノの何が効かないかと言うと、【意識性の原則】から外れてますよね。
医療用の機器にEMSという電気刺激を使用して筋肉を収縮させるものがあります。
実際にEMSを使用すると効果はあります。
が、普段から筋トレしている人が使った場合はどうなのか?
筋肥大なんかしませんよ。
では、どんな人に効果が出るのかというと自らの意思で筋肉を収縮できない人です。
リハビリ等で使われる機器になります。
医療用の機器ですらこれですから誰にでも買える一般の家庭用の腹筋が割れるという商品で効果が出るわけがない。
過負荷の原理や漸進性の原則からも外れていきますよね。