サラリーマン失格

パーソナルトレーナーになる前のお話

2020年6月現在、パーソナルトレーナーとしての活動が14年目に突入、フィットネス業界で働き始めて17年になります。

長いですね(笑)

今回の記事はフィットネス業界で働く前のことを少し書きたいと思います。

大学を卒業してから30歳までは都内で会社員をしていました。

フィットネスとは全く関係のない普通のサラリーマンです。

今となっては労働環境の悪い会社をブラック企業と当たり前のように呼びますが、当時はブラック企業などという言葉自体がありませんでした。

まあ、今から思えば僕が勤めていた会社はブラック企業だったんでしょう(笑)

とにかく忙しかったです。時間に追われる感覚が常にありました。

会社を辞めてから10年ぐらいはたまに夢を見ていました。

当時勤めていた会社で仕事をしているのですが、『やべえ、間に合わない』って感じで忙しくなり、更に追加でトラブルが発生するみたいな夢なんですけどね。
そこで夢から覚めるのですが、心臓がドキドキしていて。
こんな夢を10年ぐらいはたまに見ていました。
ブラック企業あるある(後遺症)なんじゃないですかね?

で、仕事は忙しい割には休みは少ないし給与も満足できるものではありませんでした。

勤め始めてすぐに『定年までこの会社で働く姿が想像できない』『いずれ転職するだろうな』とぼんやりと考えていました。

サラリーマン時代の自分に点数を付けるとしたら

サラリーマン時代の僕に点数を付けるとしたら何点になるか?

う~ん『20点ぐらいかな。』

完全に赤点ですね。

一つ誤解のないように言っておきますが、仕事は一生懸命こなしていましたよ(笑)

新入社員のころに配属された営業所の所長から

『だいたい社会人というのは3年で一人前になるから、それまで君たちに払う給料は先行投資みたいなもの』
『だから3年以内で辞められると会社は大赤字なんだよ』と言われました。

社会人経験もない僕はそういうものかと納得しましたが、僕の仕事への考えはもっと厳しいものを設定していました。

僕はどんな仕事や業務も『1年で出来ないことは一生できない』と考えていましたので1年で先輩たちがやっている業務は全てこなせるようになるつもりで働いていました。

3年で一人前になるなんてヌルイことやってられんという気持ちで働いていました。

そんな感じで働いていたのに何で20点?と思った人もいるかと思います。

自分に厳しく採点したからではありません。

冷静に判断しての結果です。

お客様が誰だか分かっている?

どういう事かというと・・・お客様が誰なのかが分かっていなかったからです。

これは僕だけでなく当てはまる人もいるかと思います。

『あなたのお客様は誰ですか?』と質問されて明確に答えられない人は要注意ですよ。

かつての僕と一緒です。点数を付けるとしたら20点以下です。

ちなみに、僕は営業だったんです。

当然、得意先の所に行きますよね。

僕は得意先がお客様だと思っていたんです。

違いますからね。

得意先というのは会社のお客様です。

お客様というのはお金をくれる人のことです。

サラリーマンは毎月給料を貰いますよね。

誰から貰いますか?

会社から貰いますよね。

ということはサラリーマンにとってのお客様は勤めている会社の社長です。

当時の僕はお客様が誰なのかを勘違いして仕事をしていました。

一生懸命に仕事をしているつもりでもお客様(会社の社長)が欲していることに対して十分に応えられていたと言えないかと。

そういうことを踏まえると20点ぐらいだったかなと思います。

サラリーマンをしていればどこにでもいる、必ず目にする上司に媚びる、いわゆるゴマすり太鼓持ち男というのがいますよね。

僕は当時その手の人間を侮蔑していましたけど、あれはサラリーマンとしての立派なスキルと言えます。

ただ、僕にはマネ出来ないことでしたので、この分野では太刀打ちできないと思いました。

で、6年半サラリーマンをやってみて悟ったんです。

『俺、サラリーマンには向いてないわ』と。

そしてサラリーマンは二度とやらないようにしようと誓ったものです。

今の仕事に感謝

『サラリーマンは二度としない』という誓いを立ててから現在まで、今のところ破らずにいます(笑)

サラリーマンを辞めてからは、スポーツクラブのインストラクター(アルバイト)を経てパーソナルトレーナーとして独立(業務委託契約)、現在は自営業としてパーソナルトレーニングジムを運営しています。

アルバイトは厳密にいえば雇用契約なので、サラリーマンに準ずるものではあるのですが、僕は個人事業主という気持ちでアルバイトをしていました。

スポーツクラブでアルバイトをすることになった経緯は、サラリーマンを辞めた後にフィットネス業界へ行くことは決めていましたが、専門的なことは全くの未知だったためまずは資格を取ることにしたんです。

取ると決めた資格は健康運動指導士という資格なのですが、受験資格に【実務経験が3年以上またはそれと同等の実力が有る者】と書いてあったんです。

当然、実務経験もゼロでしたのでスポーツクラブでアルバイトをすることから始まりました。

ちなみに、年収でいうとサラリーマン時代の4分の一になりました。

面接の時に責任者の方に『給与の面で会社員の頃と比較してかなり少なくなると思うけど大丈夫?』と聞かれましたが、『そこは勉強のためと割りきっていますので大丈夫です。』と即答しました。

ちょっと面白いこととしては、スポーツクラブのアルバイトの面接にスーツで来て、履歴書の他に職務経歴書を持ってきて、資格取得のために実務経験を積ませてくださいという志望理由でくる人が今まで居なかったんでしょうね。

『ぜひ来てもらいたい』てことで時給がいきなり50円アップから始まったんです。

バイト時代も色々とあったので面白いのですが今回は紙面の関係もありますし割愛します。

現在はパーソナルトレーナーとして運動指導がメインの仕事で生計を立てています。

僕はパーソナルトレーナーという仕事に誇りを持っています。

誰にでもできる仕事ではないと思っていますし、僕の経験や知識を教えることで感謝され対価としてお金を頂いています。

ある人が言った言葉ですが、お金とは【ありがとう】が形になった物であると。仕事をしてお金を貰うことは【ありがとう】を貰っていることと同じだと。

僕もこの考え方が最もシックリとくるのでいつもそういう気持ちで働いています。

今、僕の【お客様】は目の前にいる人(クライアント)ですので、かつてサラリーマン時代におかした失敗『誰がお客様か分かっていない』状態ではありません。

自分のお客様から沢山の【ありがとう】を貰えるような仕事をしていきたいですね。

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